駆け出しカメラマンの独り言 先日ツインリンクもてぎで行われたバドワイザー500の取材に行ってきた。2輪だけじゃなくて、4輪のレースを取材すると色々見えてくることが多くて僕には刺激的。まして、普段見ることの出来ないアメリカのモータースポーツを目の当たりにすることが出来て、本当に幸せだった。そもそもCARTというレースは、オーバルと言われる円形のサーキットをフォーミュラータイプの車で何百周も周回する位しか知らない人が、日本では多いんじゃないだろうか? しかし、もてぎで目の当たりにしたのは、本当に組織化されたプロのレースだった。プロという言葉は、どんなことにも当てはめられるから、日本のレースだって立派なプロのレースだ。しかし僕が言いたいのは、PRやオフィシャルの動きの面だ。 CARTというのは日本のJAFやMFJと違い、株式公開されているレース専門に組織化されている団体だ。いや、会社なのだ。レース運営に関わる人間は、CART側から全てのサーキットにやって来る。サーキットの人間(ボランティアも含む)も参加するけれど、メディアに対して応対する人間、それとオフィシャルのほとんどが専門家だ。専門家たちだけにその応対は、すべてにおいて驚かされるものばかりだった。 レース終了後の合同インタビューでは、3位までの選手がCARTのPR担当の司会で紹介されていく。戦績、いつ以来の入賞か、それらが手際よく説明されてからレースのことが聞かれるのだ。日本では合同インタビューは、一般には映像で公開されることがない。だから「えっ、そんなこと当たり前じゃないの?」って思われるかもしれない。でも日本は、雑誌社の有名なエディターや、ジャーナリストが司会に立って代表的に質問していくのが一般的なやり方のようだ。だから、そこまで徹底してインタビューする相手のことをデータ的に取りまとめていて、すぐ紹介するという場面にまだ僕はいたことがない。記録ということに、名誉を覚える習慣がないからゆえなのか。 データをアピールするという点、もう一ついい例があげられる。メディアガイドの存在だ。まるで国語辞書並の厚さのそれはメディアセンターでジャーナリストに配付され、チームの成り立ち、スポンサーの紹介、ドライバーの紹介には、家族の名前、好きな俳優、はては可愛がっているペットのイグアナの名前まで。昨年の各レースのトピックス。サーキットの紹介など、これ一冊あれば大体の記事書きにはことかかないだろうし、ジャーナリストも、どれだけインタビューしやすくなることか。 さらには、各チームからも山のように、チーム用メディアガイド、チームリリース。リリース用写真が同封され、チームのPR担当の名刺が挟まれる。プレゼント用にノベルティが配付され(そういえば、多くの雑誌でそれらがプレゼントとして紹介されたりしていない。ほとんどがジャーナリストたちにがめられたのか? ま、僕はがめてしまったが…)、僕が資料として持ち帰ったリリース類は、ダンボールに1/3にもなった。スポンサーがしっかりついているチームリリースは真似できないだろうが、統括する組織ならできないことではなかろうか? どうしても触れなければならないのは、オフィシャルのこと。セーフティトラックでレスキュー活動する姿は、どんな事故でも安心して任せられるからこそドライバーも安心できるのだろう。僕はかねがねレスキューに関するオフィシャルは、専門知識をもったプロが必要なのではないかと考えている。事故現場から動かす段階で、いつも顔を合わせる人間だったら、ライダーだって安心して初期処置を受けられるのでは。よりレースという環境に専念できる彼らは、オフィシャルとしても幸せなのではないだろうか。 運営という立場は、言い訳がきかない。あらゆることに専念して、対応する。そのためには、株式公開という方法をいとわない。環境こそまったく違うけれど一つの完成されたレース文化に触れたことで、又一つ考えさせられた1週間だった。 |